台湾特許実務

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台湾特許法

早期審査について

台湾では、PPH制度または加速審査(AEP)制度を利用できます。

PPH制度

  1.  平均的な審査期間
    特許査定まで申請後約4か月です。1stOAの発行まで約36日(2018年度調べ)、平均的な査定率は95.6%です。
  2. 準備して頂く書類
    対応日本出願の特許公告番号、若しくは当該日本出願査定後のクレーム(やOAなど審査経過データ)
  3. 申請時点
    審査開始の通知送達後、台湾出願のOA発行前に申請する必要があります。
  4. 注意点
    台湾出願のクレーム範囲が査定になった日本対応案より広くならないよう補正する必要があります。

AEP制度

  1. 平均的な審査期間
    PPHよりやや遅く、査定まで平均申請後6か月ほどです。平均査定率:90%を超えます。
  2. 準備して頂く書類
    対応日本出願の公告番号または査定後のクレーム、日欧米の特許庁のOA(まだ査定になっていなくてもよい)
  3. 申請時点
    審査開始の通知送達後、OA発行の有無にかかわらず、係属中であればいつでも申請できます。

[注]

PPH制度、AEP制度の申請ともに、審査請求(費用は別途)が前提となります。(審査請求後の審査開始の通知送達まで約2週間ほどかかります。)

台湾発明特許出願の流れ

  • 発明特許の出願案は形式審査を経たのち、規定の様式に符合しない点がなく、且つ公開しない事由がなければ、出願日から18か月後に公開されます。
  • 発明特許の出願日から3年以内に、だれでも審査請求をすることができます。審査請求をされたものが実体審査に入ります。
  • 発明特許出願が特許査定を受けたのち、出願人により査定書の送達から3か月以内に証書代及び特許年金が納付されたあと、公告されます。
  • 発明特許出願が、初審査で拒絶査定された場合、出願人はこの査定に不服があるときは、拒絶査定書の送達後2か月以内に再審査を請求できます。
  • 発明の再審査出願案が再審査で拒絶査定となった場合、出願人は該査定に不服があれば、法に従い再審査の拒絶査定書送達後30日以内に行政救済(訴願)を提起することができます。

台湾商標登録出願の流れ

  • 商標登録出願後、形式審査及び実体審査に入ります。形式審査の事項がそろい、実体審査の事項に登録を付与しない事情がなければ商標登録がされます。
  • 出願人が登録費を納付すると、登録が公告され、登録証が発行されます。
  • 出願人が期限までの登録費を納付しなければ、登録は公告されず商標登録証も発行されません。ただし、出願人が故意ではなく、且つその期間中の第三者の商標登録出願に影響しなければ、納付期限満了後の6か月以内に2倍の登録費を納付することで、公告、且つ登録証を取得できます。
  • 商標が公告登録されたあと、あなたの商標に登録を付与しない事情や、商標の不当な使用、または登録後3年未使用である、などの争議があるときは、他人が異議、評定及び廃止手続きを申請することがあります。争議案の行政処分がなされた後、当事者はこの処分に不服があるときは30日以内に経済部訴願委員会に対し、訴願を提起することができます。
  • 訴願の決定に不服があるときは、2か月以内に知財裁判所に対し行政訴訟を提起することができます。更に、行政訴訟の判決に不服があるときは、20日以内に最高行政裁判所に対し上訴することができます。
  • 商標出願が審査に入り、形式審査事項が不揃いであるか、実体審査事項に登録を付与しない状況があるときは、受理されないか、または登録の拒絶査定がされます。出願人は、審査結果に不服があるときは、出願人法定権益を保障するために、上記と同様、行政救済手続きにより、経済部訴願委員会、知財裁判所、最高行政裁判所に対し行政救済を申し立てすることができます。

第三者に対する実施権者の対抗

台湾では、「特許権者が自己の特許権について他人に実施権を許諾する場合、実施権を台湾特許庁に登録しなければ、実施権者は第三者に対抗することができない」と専利法第62条第1項、2項で規定されています。

第62条

発明特許権者は、その発明特許権を他人に譲渡し、信託し、実施許諾し、又は質権を設定するときは、特許主務機関に登録しなければ、第三者に対抗することができない。
前項の実施許諾は、専用実施許諾又は通常実施許諾である。

(第62条における「第三者」は、当事者間で特許権の譲渡、信託、質権、許諾実施に争議があるときに適用すると解釈され、また侵害行為をする第三者を保護するものではなく、「任意の第三者」を指すものではありません。)

特許権者と合法的にライセンス契約した後であれば、特許庁に登記していなくても、侵害する第三者に対し権利行使できます。

グレースピリオド(新規性/進歩性喪失の例外)

発明特許の出願まえの「出願人の本意でなされた公開」及び「出願人の意に反してなされた公開」の日から12か月以内(実用新案も12か月、デザインは6か月)に特許出願をしたものは、上記公開行為は新規性及び進歩性喪失の事由の例外となります。公開行為の態様に制限はありません。

「出願人の本意でなされた公開行為」とは、公開行為が出願人の意思によるもので、出願人本人だけでなく、出願人の同意を得た他人の公開行為(例:出願人の依頼を受けたインタビューの公開記事など)も含まれます。

「出願人の本意でない公開行為」とは、出願人の意思によるものではなく、他人が出願人の委任、同意、指示なく公開、秘密保持義務に違反した公開、又は脅迫、詐欺、窃盗等の非合法手段により出願人または発明者から発明の内容を知り公開に至ることを含みます。

注:どこの国にも拘わらず、つまり、前記公開行為が日本で発生したとしても、12ヶ月以内に、台湾でも特許出願しなければ適用されません。

社員による創作は雇用主に提出するべき法律上の義務

専利法第7条の要旨:

従業者が職務上完成した発明、実用新案又はデザイン(以下「職務発明、実用新案又はデザイン」という)は、その特許出願権及び特許権は使用者に帰属し、使用者は従業者に相当の対価を支払わなければならないと規定しています。

上記の職務発明、実用新案又はデザインとは、従業者が雇用関係下の業務において完成した発明、実用新案又はデザインを指します。

専利法第8条の要旨:

従業者がした職務上完成したものでない発明、実用新案又はデザイン(以下「非職務発明、実用新案又はデザイン」という)は、その特許出願権及び特許権は従業者に帰属します。但し、その発明、実用新案又はデザインが使用者の資源や経験を利用したものである場合、使用者は相当の対価を支払えば、当該事業においてその発明、実用新案またはデザインを実施することができます。

従業者が職務外で発明、実用新案又はデザインを完成したときは、使用者に書面で通知する必要があります。必要があれば、創作の過程も告知しなければなりません。

使用者は前項の書面通知の到達から6月以内に、従業者に対して反対の意思を示さない場合は、当該発明、実用新案又はデザインは職務上の発明、実用新案又はデザインであることを主張できません。

専利法第7、8条の規定のほか、台湾では原則雇用契約による約定内容を基準に考慮されます。従って、異なる企業/法人により状況は異なります。

商標出願に必要な書類

  1. 登録出願者が署名した委任状
  2. 商標の見本10部(白黒もしくはカラーで)
    商標の見本が明晰であること、又その寸法が5×5cm~8×8cmの範囲であること。カラー商標、または商標の文字が特殊な字体である場合には、原則として商標の見本を出願者側より作成すること。
  3. 指定商品もしくは役務内容の明細書(国際分類第8版を採用)。
    但し、類別標題をそのまま指定商品、もしくは役務の名称として使用してはならない。
  4. 優先権証明書(優先権を主張する場合にのみ必要)
  5. 登録出願者の氏名、住所、国籍(出願者が法人の場合は、代表者の氏名も添付すること)

商標の存続期間

登録の日から10年間である(商標の更新については、10年ごとに更新できる)。

生物材料の寄託

生物材料を寄託する必要があるときは、出願日まえ(当日可)に該生物材料を台湾知財局(TIPO)が指定する台湾国内寄託機構に寄託をする必要があります。ただし、出願前にすでにTIPOが認可した国外寄託機構に寄託している場合は、遅くとも出願日には国内で寄託すべきとする制限を受けず、出願日から4か月以内(優先権を主張するものは、最先の優先権日から16か月以内)に関連証明文書を提出します。

なお、日本と台湾との間には相互の寄託効力を認める協議が締結されており、出願人は、日本が指定する国内寄託機構で寄託した場合は、法定期間内に関連証明文書を提出すれば、(台湾)国内での寄託の制限を受けません。

特許出願における必要書類及び資料

出願日を確保するために、出願の際に、次の書面と資料を揃えることが必要です。オンライン出願をしていますので、出願日を取得するために下記必要書類、必要データを電子ファイル(または書面をファクシミリ・郵送で)でご提供ください。

  1. 原文(外国語)明細書(要約を含む)及び特許請求の範囲 1通
  2. 必要な図面 1通
  3. 出願人会社名及び住所の中英文表記、代表人氏名の中英文表記
  4. 発明者氏名及び住所の中英文表記
  5. 該出願の英文発明名称及び英文要約書
  6. 基礎出願の出願番号、出願日及び出願国別(優先権を主張する場合)
    •  出願時に発明者名又は出願人名が中国語で表記できない場合、先に仮の中国語表記で出願し、出願後に御指示により訂正を請求することができます。次の書類及び資料は出願時に提出するか、又は出願日から4ヶ月以内に補足することが必要です。(ただし、アクセスコード、又は優先権證明書類の場合、最先の優先権日から16ケ月以内に提出する必要がある)。
  7. 委任状:委任状の提出はさらに2ヶ月の延長が可能です。
  8. 中国語明細書、特許請求の範囲、要約及び必要な図面 1通
  9. アクセスコードまたは優先権証明書類(優先権主張の場合)
    • アクセスコード、又は優先権証明書類の提出期限は更なる延長はできません。
    • なお、ご提供いただいたアクセスコードに誤りがあった場合は、知財局からの通知により2か月以内に補正ができます。

* 宣誓書及び譲渡証書の提出が不要となりました。