Q1 商標登録を出願することのメリットは?

台湾の商標制度は登録保護を原則とし、法により商標登録を出願して商標権を取得すると、商標権者は自己で使用、及び他人に使用を許諾できるほか、他人が同じ又は類似の商標で同じ又は類似の商品/役務を指定して使用することを排除できます。

他人が商標権者の同意なく該商標を使用して商標権を侵害、もしくは商標権侵害のおそれがあるときは、商標権者は侵害の排除又は防止を請求することができます。また、故意に或いは過失により商標権を侵害した者に対し、損害賠償を請求することができます。【商標法第2条、30条第1項10号、68条、69条】

Q2 台湾で既に商標登録を取得している。商品を外国へ販売する時は、外国でも商標登録を出願する必要がある?

商標権の登録効力は属地主義を取っています。特定の国や地域で取得した商標権が保護される範囲は、当該登録した国内に限られます。ですから、商標が台湾で登録されても、商品をその他の国に販売したいときは、他人の商標権を侵害しないためにも、その国でも商標登録出願をしておくほうがよいでしょう。

Q3 台湾の商標登録出願は、繁体字及び簡体字で同時に出願する必要がありますか?

(1)繁体字商標のみで商標登録を出願した後、出願人は同じ意味の簡体字商標を使用できるか?

(2)繁体字商標のみで商標登録を出願した後、他人は同じ意味の簡体字商標を出願できるか?

例)Aが「臺大」商標登録出願をした。Aは「台大」商標を使用できるか。Bは「台大」商標を出願できるか。

登録商標と使用態様が同一性を有し、商標の主要な識別部分の実質変更がない場合は登録商標の使用であるとみなされるため、「臺大」登録商標の商標権者の実際使用している図柄が「台大」であっても問題ありません。

ただし、一部の簡体字の画数や字形の外観は、台湾の市民生活において既に周知で常用されている文字、例えば「葉」と「叶」のように必ずしも同じではないため、商標権者が登録商標の繁体字を簡体字に変換して使用すると、同一性がないときは、廃止を請求される可能性があります(個別案件ごとに同一性が判断される)。

なお、繁体字で商標登録された場合、原則として他人はその簡体字商標を登録することはできません。理由は、二つの文字商標が類似を構成する可能性があり、たとえ外観が近似しなくても字の意味が類似すれば、概念及び呼称の類似により、消費者の混同誤認を招く恐れがあるからです。

Q4 商標図柄を黒又はカラーで登録出願する違いは?

商標登録を出願する図柄は、原則実際に使用する、或いは使用する予定の態様が基準となりますが、出願時の図柄が黒または単一色であれば、実際の商標使用時にその他のカラーを採用しても商標使用とみなされます(登録商標の主な識別特徴に実質変更がないことを前提とする)。

しかし、商標登録出願時の図柄が二以上のカラーの組合わせであり、且つ施された色が当該商標の主な識別特徴である場合、実際の商標使用時に図柄が黒もしくはその他異なるカラーであると、該商標が消費者に与える由来識別の同一性印象を変える可能性があり、登録商標の使用とは認められません

Q5 出願商標は営業許可証明を提出する必要があるか?

例)指定商品が薬品であるとき、該薬品の販売許可を提出する必要があるか?

台湾の知財局は、指定商品及び役務に対し形式審査制度を採用しており、知財局は商品又は役務名称が具体的でかつ受け入れ可能かのみを審査します。従って、出願人は出願時の商品の営業許可証明等を提出する必要はありません。

Q6 商標の不専用声明とは?

商標の機能は主に商品/役務の由来を識別することにあります。しかし、出願人は、往々にして販売促進のために商品/役務の品質、機能、産地などの説明や広告等識別性を有さない事項を商標図柄に入れてしまいます。

そこで、不専用声明という制度により、出願人が商標における識別性を有さない部分など法により商標登録ができない部分について権利を主張しないことに同意すれば、全体としては識別性を有する商標について登録することができます(実務上の作法については不専用声明審査基準をご参考ください)。

Q7 商標登録出願から登録査定までどのくらい時間がかかりますか?

商標登録出願の審査は、審査手続きが煩雑であり、各個別案件の指定商品/役務の審査のほか、前案登録資料の検索、法定の登録できない事由の審査等が行われます。目下登録済み商標は217万件を超えており、商標登録の審査は約6~7か月かかっています(補正や答弁期間などを除く)。

Q8 商標登録出願が登録査定されるまでは当該商標は使用できない?

台湾の商標登録出願、又は使用は強制登録制度ではないため、出願人は商標権の取得前であっても任意に商標を使用して自己の業務に関わる商品/役務を表すことができます。ただし、使用する商標が他人の商標権を侵害しないように注意することが必要です(商標法第2条)。

Q9 商標権の期限は?期限の延長(更新)はできますか?

商標登録出願が査定を受けた後、出願人は査定書送達後2か月以内に登録費を納付すると商標登録が公告されます。商標権は公告の日から発効し、権利存続期間は10年です。

また、商標権は期限満了の6か月以内に延長を申請することができ、1回の延長は10年です。

Q10 他人が自分の商標中の文字を社名にしているときは、どのように主張できますか?

他人が自己の商標中の文字を社名にしているときは、商標権者は商標法第70条、又は公平交易法第22条第1項規定により救済を求めることができます。

Q11 商標登録出願後に、商品/役務を増加することはできますか?

商標の指定商品/役務は、出願後は、指定使用商品/役務の縮減を除き、増加することはできません(もとの指定商品と類似の群に属する商品/役務であっても増加することができません。商標法第23条)。

Q12 他人が私の登録商標をドメイン名称として登録し、また同じ又は非常に類似した商品/役務において経営していることが分かりました。どうすればよい?

ドメイン名称の登記は、先願主義を採用していますので、他人の商標文字を先取りしてドメイン名称として登記した者に対しては、以下の方法で対応することができます。

  1. ドメイン名称の使用または表示:たとえ商標の使用としてではなくとも、他人の著名な登録商標であることを知りながら、当該商標中の文字をドメイン名称とし、混同誤認に至らせるおそれや、著名商標の識別性または名誉を減損するおそれがあるものは、商標法第70条第2号規定の商標権侵害の事情を構成する可能性があり、民事権利侵害の責任を負います。
  2. 『ドメイン名称争議処理方法』第5条の規定により、登記人のドメイン名称と、他人の商標、標章、氏名、事業名称またはその他標識と同じ或いは近似して混同を生じるものに対し、他人は台湾ネットワークインフォメーションセンター(TWNIC)の争議対応機構に対し、訴えを申立てることができます。当機構の専門家グループによりドメイン名称の取消或いはドメイン名称の移転の要否を決定します。現在の受付機構は、「資訊工業策進會 科技法律研究所」(Institute for Information IndustryScience & Technology Law Institute)と、台北市弁護士会となっています。

Q13 商標の不専用の声明の有無は、商標権者の権利主張に影響しますか?

不専用声明の制度は、審査手続きにおいて、商標権争議が発生する可能性がある状況について、予防的にとる行政措置に過ぎず、商標登録出願の特定事項について不専用を声明するか否かは、その後該出願が商標権を取得するか否かの唯一の根拠ではありません。

且つ商標登録後、商標権者は指定した商品/役務において全体商標を使用する権利を取得するのであって、商標中の特定部分を単独使用する権利を取得するのではなく、商標が消費者の混同誤認を招く恐れがあるかどうかの判断は、やはり全体商標の図柄により観察されます。

従って、商標図柄中の識別性を有さない部分について、不専用の声明の如何に拘わらず、全体商標の混同誤認の虞の有無は、個別の案件によって具体的に判断されます。

Q14 台湾の総代理店は外国メーカーの商標を登録出願できますか?

商標は「自己が生産又は代理する商品を標示するもの」であり、総代理店は台湾で、選択して卸した商標商品の販売促進、広告をします。外国メーカーの商標権者の同意があれば、自己名義で出願登録ができます。ただし、該製品の販売代理のみを約定している場合は、同意がなければ当該国外商標登録出願を自己名義とすることはできず、当該外国メーカーの名義で登録出願する必要があります。

Q15 他人が台湾で登録していない商標を自己の商標として登録出願できますか?

他人が先使用しているものと同一または類似する商標について、同一または類似の商品/役務を指定して商標登録出願をし登録査定されても、後日他人との間に契約、地縁、業務上の往来又はその他関係を通して他人の商標の存在を知り、他人が同一又は類似の商品/役務において先使用した商標を意図的に模倣して商標登録出願したことが証明される(商標法第30条第1項第12号)と、法により商標登録が取消されます(商標法第48、57条)。

Q16 複数商標の組合せを、一の商標図柄で登録出願して官費を節約することはできますか?

商標の使用とは、登録商標を登録された指定商品/役務に使用することを指します。節約のために複数の商標を組合せて一つの図柄で登録出願し、審査により登録査定を受けた場合、実際の使用時に商標の一部だけを使用したり、各部分を分解して使用することができません。つまり登録商標全体の印象が異なると、当該登録商標の未使用により該商標権が廃止請求される恐れがあるのです(商標法第35条第1項、63条第1項)。

Q17 商標権者が実際に登録商標を使用する際に、図柄のわずかな変更をした場合、登録商標の未使用であるとみなされるのでしょうか?

商標権者が実際に使用する商標が、形式上(見かけ上)登録商標とやや異なるだけで(商標図柄の大小、比例、字体や文字配列等の変更)、登録商標の主要な識別特徴を実質変更しておらず、一般の社会通念上同一性を失うものではないのであれば、該登録商標の使用と認められます(商標法64条)。ただし、登録商標の主要な特徴が省略され、本来の登録商標と顕かに差異を生じた場合には、該登録商標の使用とみなされません。

Q18 商標登録後、登録事項に異動があるときは、どうすればよいか?

登録事項のうち「商標図柄」と「指定商品/役務」については、商標登録後は変更ができません(商標第38条第1項)。一方で、商標権者の登記事項に異動があるときは、お早目に変更手続きをしてください。異動事項が送達住所であれば、変更証明書は必要ありません。ただし、異動事項が商標権者の名称、代表者又は印鑑、代理人であるときは、変更証明書を付して商標登録事項変更手続きを取ってください(商標法施行細則37条に準用する25条)。

同一出願人が2以上の商標を有し、商標登録事項の変更をするときは、各商標につきそれぞれ申請してください。ただし、2以上の商標の変更事項が同じであるときは、一の変更申請で同時に申請ができます。官費は変更申請の件数ごとに納付します(商標法施行細則第37条に準用する25条第2項)。

Q19 更新請求時に商品/役務区分を増加することはできますか?

商標法第38条第1項の規定により、指定商品/役務の縮減以外、登録後は商標図柄及び指定した使用商品/役務の変更はできません。商標権の更新は、商標権存続期間が延長されるのみで、登録後商標図柄と指定した使用商品/役務は変更できないという制限をうけます。したがって、更新後の権利範囲は更新前と同じです。

商標権者は登録更新をする区分費用を多く納付する形で、使用を指定する商品/役務の類別を増加することはできません。

Q20 登録商標が他人に模倣されました。どうやって救済すればよい?

商標法で規定している民事及び刑事の救済は次のとおりです。

  1. 民事救済:商標権者はその商標権を侵害する者に対しこれを除去し、侵害の恐れがあるものに対しその防止を請求することができます。故意或いは過失により商標権を侵害した者に対しては、損害賠償を請求することができます。商標権者の損害の証明困難を防止するために、商標法第71条では特別に損害の算出方式を規定し、商標権者はいずれかを選択して損害賠償額を算出することができます。
  2. 刑事救済:模倣品を製造販売する行為は3年以下の懲役、拘留或いは台湾ドル20万元以下の罰金を科される、又は併科される可能性があります。販売に関わったもの、或いは他人に販売する意図で模倣品を所持、陳列、輸出或いは輸入したものは、1年以下の懲役、拘留或いは台湾ドル5万元以下の罰金が科される又は併科される可能性があります。
  3. 商標権侵害の民事・刑事責任は、ともに司法の訴訟手続きで確定され、商標権者は、法に基づき告訴ができるほか、具体的な使用の事実証明をもって、内政部警政署に設置された保安警察第二総隊刑事警察大隊(保二総隊という)に対し検挙することができます。模倣品検挙の専用ダイヤル:0800-016597、又は検挙eメールアドレス:0800016597@iprp.spsh.gov.tw

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