改正の要点は
- 査定後分割出願の適用範囲の拡大及び期限の延長
- 無効審判の審理機能の向上
- 実用新案の訂正請求の実体審査採用
- 意匠権存続期間の延長
1 査定後分割出願の適用範囲の拡大及び期限の延長
改正以前は、発明特許出願の初審査の査定書送達後から30日以内に分割出願ができましたが、改正後の現在は、実用新案登録出願にも査定後分割が適用されます。また、発明特許の再審査査定後にも分割出願ができるようになります。更に、分割出願ができる期限について、期限が査定書送達後3か月以内へと大きく緩和されました。
(関連専利法:第34条第1項第2号、第5項、第6項、第107条)
2 無効審判の審理機能の向上
①無効審判理由又は証拠の補充期限が改正されました。
改正以前は、無効審判請求人は理由又は証拠を補充する場合、無効審判請求日から1か月以内に提出すべきと規定されていました。
しかし、但書では「審決前に提出したものは、参酌すべき」と記載しているので、実務上、理由又は証拠の補充期間はほぼ無制限となり、よって無効審判案の審理期間がかなり長引くケースが多かったのです。
この問題点を解決するため、改正後の現行は「期限を過ぎて提出した理由又は証拠は参酌しない」と規定するとともに、1か月の提出期限が3か月に延長されました。
(関連専利法:第73条第4項)
②無効請求人の意見陳述及び特許権者の補充答弁、意見表明(訂正の拒絶に対する意見表明)の提出期限
台湾知財局(TIPO)が必要と考え、無効請求人に特許権者の訂正に対する意見陳述、或いは特許権者に補充答弁又は意見表明を求める場合、上記意見陳述、補充答弁及び意見表明の期限は通知後一ヶ月以内となります。
(関連専利法:第74条第4項)
③無効審理中の特許権者の訂正の機会
無効審理中において、特許権者は答弁、補充答弁または意見表明(訂正の拒絶に対する意見表明)が通知された期間においてのみ、訂正を請求することができます。ただし、特許権が訴訟に係属しているときは、これに限られません。
(関連専利法:第74条第3項)
3 実用新案の訂正請求に実体審査が採用されました
改正以前は、実用新案の訂正請求の審理は形式審査で行うのに対して、改正後の現行は、実体審査で審理が行われます。
なお、実用新案の訂正請求可能な期間が、以下のとおり明文化されました。
- 当該実用新案が無効審判審理中の場合であって、特許権者に答弁、補充答弁又は意見書提出が通知されている期間。
- 技術評価書請求が受理されている期間。
- 訴訟に係属している期間。
(関連専利法:第118条)
4 デザイン特許の権利存続期間が延長されました
デザイン特許権の存続期間が12年から15年に延長されました。
(関連専利法:第135条)